『4into1』 排気システムとは?
出力の向上、消音効果、さらに軽量化と機能美。量産二輪車に採用する為の
技術的問題を研究、テストの結果完成した、高効率排気システム。
<4into1>排気システムは、それぞれのシリンダーから排出される排気ガスの流れを
一箇所に集め、4シリンダーの爆発サイクルとエキゾーストパイプの長さを微妙な
マッチングを利用して、消音効果と出力向上を実現させた物です。
『動』の400を表現する為に採用された、美しいメッキの4into1タイプ集合マフラーは、
CB400FOURの最も特徴的な部分。当時の4気筒モデルの主流だった4本マフラーに比べて、
約6kgの軽量化を実現したと言われ、排気効率のアップと消音効果を高めています。
滑らかなアールを描いて集合チャンバーへと導かれるエキゾーストパイプ。
4本のエキゾーストパイプの長さは、4つのシリンダーの爆発間隔と微妙なマッチングが
図られるのと同時に、メンテナンス性向上のため、オイルフィルターを避ける
レイアウトとなっています。
しかしながら、この4into1マフラーの完成までには、開発者の多くの苦労の連続だったと
言われています。CB350Fの反省点としてユーザーから挙がっていた声には、
『価格が高い』『4気筒の割りに2気筒よりもスポーティに走らない』『マイルドで静か過ぎる』
『迫力がない』『加速感がない』などがありました。そこでホンダの開発者チームは
この中から特に『価格』と『2気筒に対して走らない』と言う二つの項目を最優先の
研究課題としました。そんな中で、コストの削減とパワーアップとスタイリング上の
アピールポイントとして採用されたのが<4into1>マフラーでした。
開発で、とても苦労をしたと言う<4into1>マフラー。取り回しをどうするのか、
途中の排気チャンバーをどうするかなど、多くの悩みを抱えながら、
結局、図面は引かずにまずは手造りで曲げてみて、現車に合わせながら作られました。
寸法を測り、それから図面が起こされました。エキゾーストパイプの湾曲部は、
オイルフィルターから逃げる為の物でした。
マフラーの集結部が、レイアウトの関係からクランクケースのすぐ横になってしまい、
それで排気が最初に集まる集合部が熱を持ってしまってエンジン温度を上げてしまう。
その為、CB400Fは油音が少し高めなのです。思惑では、エキゾーストパイプを湾曲させて、
横にずらしたので空いたスペースから冷却風がクランクケースに当たって、冷えるはずだった。
市販車初と言う理由で注目を集めた集合マフラーですが、
その特徴は集合部だけにあったわけではなく、その他にも新しい試みがありました。
それは、集合部から後ろのテールパイプ部を、ロールで造ったこと。それまでは、
モナカタイプ、つまり上下半分ずつで鉄板を曲げ、溶接してパイプ状にしていたのですが、
これを1枚の鉄板を巻いて造ることに成功。コスト削減が目的だった、
これを苦労の末実現させたのでした。開発陣が知恵を絞って、品質を落とすことなく、
コスト削減の方策を模索した努力がうかがえます。
CB400F専門 ラストドリーム